老後2000万円問題や人生100年時代。
「これから投資を始めていきたいけど、初心者は何から始めたらいいんだろうか?」
友人から質問がありましたので、これから投資を始めていきたい人、投資を始めて間もない人向けに、ファイナンシャルプランナーとして働いている私が提唱する投資初心者に「投資を始める際に最初にするべきポイント」を3つに絞りお伝えしていきます。
これをきっかけに、投資への第一歩目を踏み出すきっかけにしていただければ幸いです。
①投資目的を明確にする
投資を始めるにあたり、初心者の多くの方が「難しい」「リスクが怖い」「何をしたらいいかわからない」と答えます。
まさにその通りで、投資は難しく、リスクがあり、投資手法は様々あります。
何から始めたらいいかわからないという感情はほとんどの人が感じるところです。
そこで、私が提唱する投資をはじめる際にまずするべきことの一つが、「投資目的を明確にする」ことです。
ここを飛ばしている人はほとんどです。
もう一度言います。「投資目的を明確にしてください」
具体例で、投資目的を明確にしていない人の質問例をあげます。
・「投資をしようと思うのですが、FXと株式投資、どっちが儲かりますか?」
・「毎月3万円ほど稼げる投資ってありますか?」
これらは、投資をすれば簡単に稼げる。楽して儲けられる。短期でお金が入る。と考えている方の典型的な質問例です。
では、投資目的を明確にするということは具体的にどのようなことを考えるべきなのでしょうか。
・生活資金の何割またはいくら(金額)を投資に回すことができるのか
・投資に回したお金は何に使う目的か(老後資金・学資等)
・どれだけのリスク、リターンを考えるのか
これらの点をはっきりとした上で投資に望むことが第1歩です。
難しい投資の本やセミナーは必要ありません。
投資を始めようという方で、残念ながらこういった投資関連の詐欺やビジネスに引っかかることがあります。
私は毎週カフェに行く習慣があるのですが、必ずと言っていいほど「投資詐欺」「バイナリーオプション」「ネットワークビジネス」の話があちこちで行われています。
そこで、投資の知識や経験がない方が、「楽して」「無料で始められて」「リスクなしで」「月○十万円儲かる」「月利○%で」という話を鵜呑みにして高額な投資商品や怪しい投資スクールへ入会するということがよくあります。
自分は大丈夫だと思っていても、投資未経験者の方は、何が正しくと何が正しくないのかという判別がつきません。
これらのキーワードはまず疑ってください。
②どのような投資手段があるのかを知る
「投資」といっても種類は様々あります。
例えば、FX投資、株式投資、不動産投資・・・・等、金融商品の数だけあります。これが、一言で投資という言葉で表現してしまうので、分かりづらくしている原因でもあります。
私は、投資商品を下記の5つのジャンルで考えています。一つの参考にしていただければ幸いです。
①通貨(日本/円 アメリカ/米ドル トルコ/リラ 等)
②債券(日本国債10年 米国債30年 等)
③株式(個別株・・・イオン、ソニー等 指数連動型・・・日経平均、ダウ平均 等)
④不動産(国内木造中古アパート 国内新築区分マンション 等)
⑤商品(金・原油 等)
大きくはこの5つのジャンル(私は5つの島と考えています)に分けて考えると分かりやすいかと思います。
投資は多くの金融商品がありますが、それらはどこのジャンルにあるものなのか。
そして、あなたの投資目的にあう投資手段はどれに当てはまるのかを考えましょう。
これらの投資手段は「リスクとリターン」「投資特性」が全く違います。
例えば、①の通貨の中で米ドルと③の株式の中でイオンの株式投資を比較してみましょう。
米ドルへの投資として、米ドル建の保険や米ドル定期預金等があります。
投資リスクとリターンは、アメリカの金利情勢や為替状況によって変化します。
投資目的としては、学資や通貨分散で使われることが多いです。
日本よりもアメリカの方が相対的に金利が高いため、米ドルを資産の一部に取り入れるという方。日本は輸入大国ですので、物価は他国通貨(特に米ドル)の影響を受けやすく、円安時のインフレリスクに備える方に適した投資手段です。
また、イオンへの株式投資は、証券会社で口座を開設して買付時の株価×口数で購入することができます。
投資リスクとリターンは、イオンの業績や信用状況によって変化します。
投資目的としては、投資企業への成長、配当や株主優待などがあげられます。
イオンは株主優待に魅力のある会社で、半年に一度買物金額に対し、保有株数に応じて返金をするという優待カードを発行しています。
100株 買物金額の3%
1000株 買物金額の5%
イオンでいつも買い物している人にとってはありがたいですよね。
例えば、イオンの株価が3000円で100株保有すると30万円で株主になれます。
イオンで毎月5万円の買い物を半年続けると30万円の買物金額になるので、
30万円×5%=1万5千円の返金という計算になるわけです。
一つの企業に投資をして、成長していく企業であれば株価が上昇するかもしれませんし、投資した口数に応じて株主還元でメリットを出すという投資手法です。
具体的な名前が出ると難しく感じるかもしれません。
ここでは、まず投資手段によって全く違う特性だということだけ抑えていただければ大丈夫です。
③少額投資やシミュレーションをしてみる
それでは、実際に投資をしてみましょう。ということですが、その一歩がなかなか踏み出せないのが本音ですよね。
そんな方は、まずは少額からスタートしてみてください。
始めから大きな金額を一括で投資するのはリスクが大きすぎます。
よくある失敗例は、いきなり手持ちの100万円を一つの企業に一括投資して、株価の上げ下げに耐えられず投資をやめてしまうということです。
人は同じ金額(例:1万円)を得する時と損するときでは、損をする時の方が2倍感情が動くと言われています。投資の基本スタンスは、「長期・積立・分散」です。「短期・一括・集中」での投資は投機と言われるものですので、ギャンブルと同類と考えてください。
少額でもちょっと怖いなという方も、証券会社の口座を開いてバーチャル投資からやってみるのも良いかと思います。
実際にお金を投じる前に、仮想のお金で実際のマーケットで投資をしてみて、投資のシミュレーションからスタートしてみるといいかもしれません。
いずれにしても、小さな一歩からやってみるということが大切です。
④まとめ
投資をこれから始めてみようと考えている方はいかがでしたでしょうか。
ここまでのポイントをおさらいすると、
①投資目的を明確にする
→生活資金のいくらを投資に回すことができ、何のために投資するのかを考える
②どのような投資手段があるのかを知る
→投資対象を5つに分けて考えて、目的やリスク許容度に応じて投資手段を検討する
③少額投資やシミュレーションをしてみる
→大きなお金でいきなりスタートするのではなく、まずは少額投資やシミュレーションから一歩目を踏み出してみる
これからは、日本の人口減少や少子高齢化、終身雇用制度の崩壊など国内で資産や収入を守ることは難しくなってきます。まずは、上記のポイントを押させて小さな一歩を積み重ねてください。
・新聞の経済欄を読んでみる。
・証券会社の口座を開設してみる
・投資関連の本を買ってみる
投資初心者にオススメの書籍